風立ちぬ

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先日、話題の「風立ちぬ」を観てきました。
映画を観る前にレビュー、感想とか調べないで行きたい派なんですけど、最近はTwitterとかで情報が流れてきますから、意識的に遮断しないと無知でいるって難しいですよね。
とにかく僕は第一印象を大事にしたいので、どんな内容かはまったく知らずに映画館へ。

ここから先はネタバレありです、嫌な方は読まないでください。

話題作なだけあって、近所の映画館は連日超満員。
朝一でレイトショーのチケットを買って行きました。

冒頭、少年が登場します、少年の名前は「じろう」
あれ、堀越二郎さん?
後で気付いたんですけど、ちゃんとポスターに「堀越二郎」さんと「堀辰雄」さんの名前がありますね。
そういえばCMで飛行機飛んでる場面があったし、これで堀越さんだったら、零戦の話??
てっきり恋愛ものか、飛行機がテーマの架空の話かと思ってましたけど、どうやら違いそうですね。

その後、東京の震災の下りあり、恋愛模様あり、飛行機の話ありと進んで行き、戦争の描写はほとんどなく終了。

感想は、僕はとても好きです。
いろんな見方が出来る作品だなと思います。ストーリーに厳密な整合性がないんですね、それがいいなと。
飛行機にフォーカスしてもいい、夢にフォーカスしてもいい、恋愛にもフォーカスできる、好きなように観てくださいって言われてるような気がしました。

説明を省くっていうの、結構難しいと思うんです。細かくストーリーを詰めて行った方が誰もが楽しめる作品になると思います。もちろん分かりやすいし。
でも何かを付け足すのと同じで、本来あるはずのものを省くっていうのもすごいセンスだと思います。
僕は大のジブリファンってわけではないので他の作品との比較とかは出来ないんですけど、たぶん宮崎駿さんにはそういう美学があるんじゃないかと思います。
「紅の豚」にまつわるエピソードで、どうして主人公は豚になったのか?と聞かれたとき、「そんなのどうでもいいじゃない」みたいなことを言ったって聞いた事があります。
その後、とりあえずの説明を付け加えて「これでいいかな?」みたいなやり取りがあったっていう話です。

説明出来ない事は正しくないっていうのはある意味真実かなと思います。
でも説明できない、したくないっていうこともありますよね。そのほうが結果的に説明できてしまうみたいなパラドックス。
芸術って特にそうですよね。「芸術に評価を求めちゃいけないよ」って誰かが言ってましたけど、僕もそう思うんです。
その人が観ている世界はどれだけ説明してもその人にしか見えない世界ですから。それを分かってて、あえて「好きに観てください」って言われてるような気がしました。

上映が終わって退場する観客を見ていて、みんなの反応が千差万別でとても面白かった。
泣きながら恋愛にフォーカスしている人、零戦の話をしてる人、正直よく分からない映画だったって言ってる人。
僕はエンドロールがとても好きでした。

もしかしたら僕はまったく分かってなくて、ほんとはばっちり分かりやすいテーマのある話なのかもしれないですけど、感想はこんな感じです。
淡々と書いてますけど、とても楽しめたし好きですよ。是非おすすめしたい映画です。

 

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